宗教法人の種類とその特徴について
宗教法人は、「宗教法人法」に基づいて各都道府県または文化庁の承認を経て設立され、宗教活動を行うための法人格を持つ団体です。宗教法人と一口に言っても実はいくつかの種類があり、特に「包括法人」「被包括法人」「単位宗教法人」などの区別が存在します。そこで今回はそれぞれの特徴や違いについて詳しくご紹介させていただきます。
1. 宗教法人とは
宗教法人は、寺院・神社・教会などの宗教団体が都道府県または文化庁の承認を経て法人格を取得し、社会的な権利義務を持つ存在として認められるものです。法人格を持つことで、財産の保有や法律上の権利の行使が可能になり、宗教団体としての運営は勿論のこと、信者からの寄付や財産の管理がしやすくなります。
宗教法人には、主に以下のような種類があります。
- 単立宗教法人（単位宗教法人）
- 包括宗教法人（包括法人）
- 被包括宗教法人（被包括法人）
2. 単立宗教法人（単位宗教法人）
（1）定義と特徴
単立宗教法人とは、特定の上位組織に属さず、独立して活動する宗教法人のことです。つまり、自ら単独で法人格を持ち、他の宗教団体の統制や管理を受けることなく運営される宗教法人です。
（2）特徴
- どの宗教法人にも属さず1つの法人で完結しており、他の宗教団体の指導を受けない。
- 独自の教義や組織形態を持ち、運営方針も全て独自で決定できる。
- 財産管理や宗教活動の自由度が高い。
- 宗教法人法のもと、単体で設立認可を受ける必要がある。或いは元々被包括法人として活動していた宗教法人が包括関係を解消し、単立法人となるケースもあります。
（3）具体例
- 伝統的な寺院や神社で、特定の宗旨宗派に属さず独立しているもの。
- キリスト教系の教会で、本部組織を持たず独立運営されているもの。
- 元々被包括法人として活動していたが、包括法人との関係を解消し、単立法人となったもの。
3. 包括宗教法人（包括法人）
（1）定義と特徴
包括宗教法人とは、複数の宗教法人を統括・管理する上位組織のことを指します。日本の多くの宗派や教団がこの形態をとっており、全国各地の寺院・神社・教会を傘下に持ちます。
（2）特徴
- 傘下の宗教法人（被包括法人）を統括し、一定の指導や管理を行う。
- 組織としての一体性を持ち、教義や活動方針を共通化する役割を持つ。
- 例として、全国の寺院を束ねる仏教各宗派の本山、全国の神社を束ねる神社本庁、キリスト教の教団本部などがある。
（3）具体例
- 仏教系：浄土宗、曹洞宗、真言宗などの本山（総本山や大本山）
- 神道系：神社本庁（全国約7万9千社の神社を包括する組織）
- キリスト教系：カトリック中央協議会、日本基督教団など
4. 被包括宗教法人（被包括法人）
（1）定義と特徴
被包括宗教法人とは、包括宗教法人に属し、その指導や管理のもとで運営される宗教法人を指します。全国にある寺院・神社・教会の多くがこれに該当します。
（2）特徴
- 上位組織（包括宗教法人）に属し、一定の指導を受ける。
- 教義や儀式の形式、作法等が統一されることが多い。
- 包括法人の規則や方針に従って活動し、財産管理なども一定のルールに基づいて運営される。
（3）具体例
- 仏教系：浄土宗の各寺院、曹洞宗の各寺院
- 神道系：神社本庁に属する神社（例：伏見稲荷大社）
- キリスト教系：カトリック教会の各教区やプロテスタント教団に属する教会
5. それぞれの違いのまとめ
| 種類 | 定義 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|---|
| 単立宗教法人（単位宗教法人） | 独立した宗教法人 | 上位組織に属さず、独自に運営 | 単立の寺院・教会 |
| 包括宗教法人（包括法人） | 被包括法人を統括する上位組織 | 複数の宗教法人を管理・指導 | 浄土宗・神社本庁 |
| 被包括宗教法人（被包括法人） | 包括法人に属する宗教法人 | 上位組織の指導を受け、統一された教義を持つ | 浄土宗の各寺院 |
6. 宗教法人の設立と運営
（1）設立の手続き
宗教法人を設立するには、所轄庁（都道府県知事や文化庁）の認可を受ける必要があります。
- 単立宗教法人は、直接所轄庁に申請し、独自の規則を作成する。※包括法人を離脱した場合を除く
- 包括宗教法人は、その下にある被包括宗教法人の設立認可を管理する。※所轄庁に申請前段階の意味です。
- 被包括宗教法人は、包括法人の承認を得た上で、所轄庁に申請する。
（2）運営のルール
- 宗教法人には「宗教法人規則」があり、運営の基本ルールが定められている。
- 財産の管理や信者からの寄付の運用も規則や法律に基づいて管理・運用されます。
- 解散や合併も一定の手続きが必要。
7. まとめ
宗教法人は、単立宗教法人（単位宗教法人）、包括宗教法人（包括法人）、被包括宗教法人（被包括法人）の3種類に分類され、それぞれに特徴と役割が異なります。
- 単立宗教法人は、完全に独立した宗教団体。
- 包括宗教法人は、複数の宗教法人を管理する上位組織。
- 被包括宗教法人は、包括宗教法人の傘下にある宗教団体。
これらの区分によって、各宗教団体がどのように組織され、どのようなルールで運営されるのかが決まります。宗教法人の形態を理解することは、宗教活動の実態を知る上で重要な要素となります。
私たちについて
私たちは宗教法人の設立を目指す方、宗教法人の運営を行いたいと考える方に対し、日本古来の本来の日本の宗教と言っても過言ではない神仏習合の信仰を行っている宗教法人の分院からの設立をサポートする活動を行っています。
古事記について、神道の成り立ちや仏教について、ひいては日本の歴史や法話の為のスピーチのトレーニングに至るまでの学びのサポートも併せて行う事で、特定の宗教宗派について学ぶというより「大切にしたい日本人としての心」を仲間と共に学び合う場の提供も行わせて頂いております。
宗教法人の設立となりますと、税制面での優遇などにどうしても目が行きがちではありますが、その前にあくまでも宗教法人としての目的である教義をひろめ，儀式行事を行い，及び信者を教化育成することを主たる目的とする団体としての活動が大前提であり、単に税逃れの為に宗教法人を持ちたいと言った考え方を持つ方へのサポートは一切お手伝いすることは致しかねます（事前に面接を行わせていただきます）し、反社会勢力団体及び反社会勢力団体との関係性がある方のサポートも全てお断りさせていただきます。あくまでも宗教団体としての活動が前提であり、かつ宗教団体の活動を継続していく為の優遇措置があるということを予めご理解頂きたく存じます。
私たちの考え方にご賛同頂ける方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
